縄文中期出土遺物アリソガイの利用方法を検討する中で、皮なめしに利用していたという作業仮説を立てました。ブログ「花見川流域を歩く」2020.09.06記事「アリソガイのシカ革・シカ毛皮塗布実験」
この学習のなかで縄文時代「皮なめし」を朝、昼、晩、夜、夢の中で考え、基本的図書を入手したり、シカ革やシカ毛皮を入手してミニ実験をしたりして、「皮なめし」知識習得を楽しんでいます。
そんな中でふと気が付くと、以前のモロッコ旅行で14世紀以来の伝統的方法で皮なめしを行っている工場見学をしたことを思い出しました。フェズのタンネリ(皮なめし工場)です。写真フォルダーを探すと、見学写真がありましたので、訪問を頭の中で反芻して楽しみます。
1 モロッコのフェズ
モロッコのフェスの場所
タンネリはフェズを流れる川沿いにあり、川で皮洗浄が行われているようです。
タンネリに行く途中、背中に沢山の生皮をのせたロバに何度も会いました。
2 タンネリの様子
タンネリ屋外部の様子
皮なめし溶液の悪臭が強いので、見学者にはミントの葉が渡され、悪臭が強い場合それを嗅ぎます。自分が見学した日はミントの葉を使うほどの悪臭はありませんでした。
皮なめしと染色の桶
白い桶が皮なめし用の桶で動物の糞なども入っているようです。脱毛と柔軟化の効果を狙っているようです。
赤っぽい色の桶が染色用の桶です。
皮なめし作業の様子
手に持っている皮は色が黒色の動物の皮で、皮なめし(脱毛と柔軟化)の途中のようです。
天日干しされる革
沢山の革が天日干しされています。
3 感想
皮なめしが悪臭と闘いながらの重労働であることがよくわかります。
動物から剥いだ生皮が性質が大きく異なる有用な皮革製品に生まれ替わる様子は「革命」「革新」という用語の概念と同じです。漢字「革」の意味の多義性には「皮なめし」という根拠があります。
次にモロッコ旅行する機会があれば、工場内部の見学、解説パンフレットの入手、何らかの皮革製品の購入をしたいと思います。
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